『神棚、しめ縄、榊、大麻、祭事、日本伝統文化の継承と普及を考える勉強会』について

2022年8月25日

関係者各位殿

『神棚、しめ縄、榊、大麻、祭事、日本伝統文化の継承と普及を考える勉強会』

呼びかけ人 木下 顕伸

『神棚・しめ縄・榊・大麻・祭事・日本伝統文化の継承と普及を考える勉強会』

について

 

1.背景と目的

 

少子化による人口の減少は、日本の伝統文化の継承のみならず、産業における継承問題にも如実に表れている。少子化問題は、地方における伝統文化、特に地域の祭事とそれにかかわる継承問題に大きな影響を与え、少子高齢化により危機的状況が加速している。

また、祭事においても本来の意味を知らず形骸化しているため、文化伝統継承の重大な意味を理解していない。

 

例えば、神棚の榊に関していえば、花屋などで売られる中国産が多く、神棚に中国産榊をお供えして、中国の御神木に感謝することとなる。これは、コスト面だけを考えた商業主義に他ならない。ましてや、神社でお祓いを受ける際に中国産でお祓いを受けることになり、滑稽では済まされない。麻薬問題で、栽培の規制もあり、お祓いに使う大麻についても中国産である。

 

このことは、需要と供給つまり、生産者と流通形態にも問題がある。

神棚を飾る家庭、会社、それに武道場等が減少し神事に関心を持たない人が多くなり、形骸化による消滅が加速している。各種武道においては、普及するための道場確保ができず、経費もかかるため、公共施設を借りている。このため、施設には神棚はなく、試合などで神前に礼が審判に礼となり、審判に忖度を促すしぐさになる。このことは、日本人及び武道における恥を大切にする文化の消滅に繋がり、利己主義が蔓延することになる。

 

そしてまた、正月のしめ縄に至っては、マンション家庭も増えデザイン重視となり、クリスマスさながらの飾りつけになり、本意である魔よけや厄払い、氏神さまが降り立つ神聖な場所を表すものとは関係なくなっている。正月のしめ縄は地元のしめ縄でなければ意味がない。

 

文化・伝統・技術の継承は、一旦途絶えると復活させることは至難の業である。継承できるときに、継承しなければ間に合わない。よって、それぞれの業者、関係団体、有識者などと共に、いかにこれを守り、伝承すべきかを考えて、広く解決案を求め、解決策を検討し、お互いに協力し合い、一致団結して現在の危機的状況を早急に打開していく必要がある。

 

  1. 勉強会の課題と解決案(例)

 

2-1. しめ縄業者の後継者不在問題について

しめ縄業者の後継者不足は主にコスト面の問題であるが、例えば以下のような解決策で打開できると考える。

 

  • “古代米”の活用

しめ縄には、”古代米”の稲藁が使用されるが、古代米の味が現代人の口に合わないので一般に流通できず、生産者が自宅で消費している。せっかく生産した古代米が、一般に流通せず、コスト面で割りが合わず、後継者が見つからない大きな原因のひとつとなっている。

そこで、古代米と現代米を混ぜ合わせて、「健康食」として販売するなど、地元の農協や小売店と提携し、消費者へ宣伝、販促するなどの活動が有効と思われる。

 

  • 販売経路の見直し

しめ縄の販売は、生産者から問屋に流され業者が販売する。流通経費がコストに関係する。これまでは、農家が直接販売もしくは流通店舗に卸すことが一般的であり、都心では、町火消などが、露店を構えて販売してきた。しかし、問屋は、仕入れコストを削減するためか海外からの仕入れを行い、そのため、技術の移転を行った。このことが更に、後継者不足を拡大してきた。神社の氏子会が仕入れ業者に卸せば神社の収入と祭事の意味が伝えられる。

神社庁が各地域の神社に促してこれを行う。また、露天販売者などは、地方では氏子、都心では、町火消=江戸消防記念会などと提携をするなどといった解決策が有効かと思われる。

 

2-2. 榊の販売元について

 

現在の榊は、街の花屋で販売している。しかし、これも2-1と同じく、各県神社庁が主体となり、生産者、及び販売従事者と連携することで。神棚の普及、生産と販売、神社の利益確保が可能になる。

 

2-3. 新嘗祭

 

本来、「新嘗祭」は11月23日に天皇陛下が神々に感謝されて新穀を召し上がられ、国民とともに祝われる古くからの大切な伝統文化である。各地の神社ではいまも収穫の感謝を祝う習わしとして祭りが行われる。しかし、敗戦占領下で「勤労感謝の日」という名称に改変され、今では、本来の意味を歪曲した名前の祭日となっている。これでは本来の「感謝」の意味が違ってきている。そこで、この新嘗の祭りを本来の意味で盛り上げるような活動を関係者全体で積極的に展開することが、すなわち「伝統を守る!」ことにつながると思われる。

 

  1. 神棚の普及

 

各武道関係者が、神棚のない公共施設や武道場を借りた場合は、簡易な神棚を持ちこむことも可能である。

このことにより各武道の指導者は、神棚が何たるかを子供たちや弟子に伝えることも可能である。しかし、その前に、指導者がまず理解しなければならない。

 

神輿同好会の場合は、少子化により各地域の商店街や氏子が減少し、それぞれの同好会が各地域に出向き神輿を担ぐことが通例になりつつある。同好会に参加する会員も自宅に神棚が無いものも多い、祭りを楽しむだけでなく、祭りの由来を説明し、自宅に神棚を飾ることも普及に繋がる。

 

都市部においては、一般企業、個人においても、神棚があるところも減少している。神社の氏子は、居住者だけではない。そこに事務所を構える者も氏子であり、神棚を飾ることにより、普及だけでなく地域の神社や祭りに参加し地域を盛り上げることにも繋がる。

 

4,大麻の生産と販売

 

大麻の栽培は、戦後GHQの圧力により、大麻の栽培は、免許制にされ、結果薬物取締の重要性から規制と取り締まりが強化され、結果、生産者が減少し、輸入に頼るほかない状況である。大麻は、医療にも、衣服にも、車に利用できるとあり、共同して、加工製造できれば、国内での需要と供給に対応できる。

神社関係の公益法人が許認可団体や神社の氏子会等と農家が契約栽培を行い、生産から販売までを行い連携すれば、神社の収入にも繋がるだけでなく、地域と一体となり伝統文化の継承ができる。

 

  1. まとめ

結果的に、文化伝統継承を壊しているのは日本人自らでありこれに気づいて問題解決に当たらなければならない。

 

今回は、以上に代表されるような諸問題について、共に考え、現状を打開するために勉強会を発足いたします。

 

勉強会は、本趣旨にご賛同いただき、今後の活動に参加していただける方々です。オンライン会議などにつきましては、今後の課題として検討しております。

 

例えば、農業従事者・神社関係者・祭事関係者・氏子会・崇敬者、神輿同好会・武道団体・会社・事業所・伝統文化継承団体・関係販売業者・個人の方々など、ご所属、自薦他薦問わず、みなさま奮ってご参加いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 

以上2022年8月25日

勉強会については下記のバナーを参照